- 3. パネル構造


構造用要素の材料選択は、単に軸材とするだけではなく、パネル材にすることもでき、それによって最終構築物の適用範囲を広げることができる。加えてドームの天蓋部および壁面を総パネル化することで構築物としての恒久性を高めることができる。

次に示すタイプでは、構造用要素にパネル材を用いた構造体を示す。その構造を端的に示すため、核として先の図1で示したゾーン30面体A1を用いることにする。

第二工程であるゾーン多軸体の形成において、立体状構成要素の配置設定を行うためその手段としてゾーン延長面の構成を示す。各ゾーンにおける一つ置きの面を該ゾーンに対応する座標軸に平行に延長し、かつゾーンの一つの面が一つのゾーン延長面に対応する設定の下にゾーン延長面による構成を形成する。

図38はゾーン30面体を核とするゾーン延長面による構成G1を示している。図中、各延長面の両端は理論上外方に向って無限延長となるが、この延長面の構成を明瞭に示すためその両端は省略して示している。

次に、ゾーン上に立体状構成要素の配置を定めるため、当該ゾーン多面体の一つのゾーン上におけるゾーン延長面をこの体より抽出して示す。

図39は、当該ゾーン多面体A1の一つのゾーンC10に配置するゾーン延長面(F10~F15)を、対応する座標軸B10の方向から示した平面図である。この図においてゾーン多面体A1の輪郭は、座標軸B10に対応するゾーンC10である。立体状構成要素は、ゾーンの一つ置きの面に対して設置する。当該平面図においては、座標軸B10に平行に位置するゾーン延長面F10とその左右に位置する他のゾーン延長面(F11~F15)が示す線によって囲む三角形の空間が立体状構成要素の貫通空間H10となる。

当該例では、この空間内の外方2辺をパネル材の断面外方縁部とみなす。そしてこの断面を垂直方向に平行移動することによって目的とする立体状構成要素を形成する。

図40は、ゾーンC10に配置した全ての立体状構成要素を示している。座標軸B10に対応する立体状構成要素D70は、この平面図において断面を見せている。その両端に位置する他の立体状構成要素(D71~D75)は、理論上外方に向かって無限の長さを有するが、図中その両側延長部は省略して示している。

また、これらの構成を図41の斜視図で示すことで、その構成が立体的に把握されるであろう。












 そして前述の設定を全てのゾーンに対応する立体状構成要素の貫通空間に対しても同様に行なうことで、ゾーン多面体の外殻に立体状構成要素を形成し、さらにそれらを抽出することでゾーン多軸体を形成することになる。

図42はそのゾーン多軸体E7の斜視図を示している。この実施例では、山折り状の立体面からなる立体状構成要素から構成することになる。なお、この図においても構造を明確に示すため、各構成要素の無限延長部は省略して示している。また、以降に続く実施例の図面においても、ゾーン延長面および立体状構成要素の無限延長部は同様に省略する。

第三工程である中空状構造体の形成においては、前記立体状構成要素を構造用要素とし、それらが互いに連結して構造体が形成する様、互いに交差する箇所を保持し、該構造要素の外方延長部を適宜な長さに調整をする。

この例では、先に示した図40における立体状構成要素を示した円形の部分範囲9を拡大し、それを詳細に示していく。



図43は、その拡大図であり、立体状構成要素D70ならびにその両側に交差して重なる立体状構成要素(D72,D75)を示している。その切断線の設定を手前に位置する立体状構成要素D72を代表にして示す。

先ず、その内方に接して交差する立体状構成要素D70との連結部10は保持する。そして立体状構成要素の貫通空間H10の外方頂点11を始点とする切断線12に沿って、当該立体状構成要素D72を切断し、その外方延長部を取り除く。その際、その切断面は前記立体状構成要素D70の延長方向に対して平行に切断する。



そして、全ての立体状構成要素に対しても同様に切断設定を施し、残る内方側の立体状構成要素をパネル材による構造要素へと転換することで中空状構造体を形成することになる。

図44は、その中空状構造体K7の斜視図を示している。この様に立体状構成要素を最短に設定することで中空状構造体を形成し、それを変容させることでドーム型構造体へと導いていく。


次に当該構造用要素のパネル化の詳細について図を参照に説明する。

最終構築物が比較的小規模ならば、パネルには板状の材料を用い金具等で連結すればよい。しかし、当該実施例では、恒久性および剛性を高めた住居を想定し、フレーム材を用いたパネルを用いる。

図45は、当該パネルの分解斜視図を示すものである。この構造用要素は、稜線で縦に二分割して後に組み立てる設計となっている。また構造体を組み立てる前には既にパネル化しておく。そうすれば、施工時にそれらをつなぎ合わせることで構造体を容易に、かつ迅速に組み立てることができる。

分割パネルには鋼鉄製フレーム13に鋼板14を張り合わせ、その張りあわせた部材は、分割パネル15で示している。両分割パネルは、組み立て施工時、フレームに穿たれた数箇所の孔を通してボルトで固定する。パネル相互の連結も同様にフレームをボルト等で固定すればよく、それによって構造体の剛性を高めることができる。なお、パネル同士の接合箇所には防水処置のため、ゴム製のパッキング等16をあらかじめ取り付けておけばよい。

第四工程であるドーム型構造体を組立てる際、パネル長手両端は開口部となり、構造体の内部空間が外部空間とつながることになる。

そのためこの開口部は構造体組立て後、鋼板を張り合わせ密閉板17とする。しかし、最終構築物の目的に応じて採光窓18として強化ガラスをはめ込むことも可能であり、或いは換気口19にすることもでき、この開口部はそれらの機能に転用することができる。

前記パネルによって組み立てたドーム型構造体の斜視図を、次の図46において示す。このドーム型構造体L7は、前述の中空状構造体を基本構造とし、それに鋼鉄製の支柱部材20を設けて高床式に自立し、その構造体を二つ連結した構成となっている。

その連結方向は、該構造体の備えている座標軸B11に平行となっている。二つのドーム型構造体において、該座標軸B11に対応する構造用要素が鋼鉄製の支持部材21によって繋がることで構造の安定を確保している。該支持部材21ならびに支柱部材20は、先に示した図43で示す様に、対応するパネル材の内方側にボルト等で固定すればよい。

その他、このドーム型構造体の二次的機能として、パネルの開口部には最終構築物の目的に応じ適宜に採光窓18や換気口19を取り付けることができる。或いは密閉板17を取り付けて外壁面としてもよい。なお、構築物の側面に開閉窓を設けたいのであれば、図で示す様に鉛直に位置する構造用要素に取り付けることができる。



ドームの一例


ここで示したドーム型構造体は、内部に十分な床面積を得るため、内部空間の3分の1の高さに床を設置すればよい。また、両構造体の内部空間の連結手段として、該構造体における五つの構造用要素が交差する箇所を相互に貫通することで連結口を設けることができる。

具体的に、その断面図を示すことで、その居住空間を把握することができるであろう。図47(a)は当該ドーム型構造体L7の内部空間を示した立面断面図であり、同図(b)は内部空間の床面位置での平面図を示してい























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ゾーン30面体(菱形30面体)に準じるゾーン延長面の構成
図38

ゾーン30面体の立体状構成要素の貫通空間
図39

一つのゾーン上に配置する立体状構成要素
図40

立体状構成要素の斜視図
図41

ゾーン30面体に準じる立体状構成要素
図42

パネルによる立体状構成要素の断面
図43

パネルによるゾーン多軸体
図44

パネルの分解図
図45

パネルによる多軸体ドームの連結タイプ
図46









連結高床式ドームの立面と平面図
図47