3.第三のドーム

神聖幾何学から第三の構造をへてドーム建築へ












第一の構造様式から導かれるドーム建築の代表にサンタマリア・デル・フィオーレ大聖堂があり、第二の構造様式から導かれるドーム建築の代表にジオデシックドームがあります。

 ここで第三のドームとは、先に述べた第三の構造様式、すなわち相互依存形式の構造によるドーム建築の一例を示すものです。

 その中核となる中空状構造体システムは、デザイナー村田弘志によって生み出されたドーム型構造体の総称です。そのシステムは、銀河宇宙からミクロの宇宙を背景とするデザインシステムを源泉としてくみ取ったものです。
それは、神聖幾何学をさかのぼる紀元前の幾何学体系を源流としています。
 時代を経て、このシステムを非ユークリッド幾何学によって変容することで、新たに有機的な構造体が形成されることを見いだしました。
さらに、それを建築に応用する技術を解明し、構造システムとして完成しました。

 それにより、自然界の要素をドーム型の構造に反映させることができ、柔軟かつ剛性に優れた構造を形成することが可能となりました。
それにともない、構造が持つ潜在的な形態は、ドームの外殻へと変容して有機的なデザインを必然的に形成することが分かりました。

 ここにおいて、建築の意匠的な要素である造形や装飾がその構造と一体となって形成することができる、新たな建築様式が姿を現すことになります。
また、その形態は造形美という美意識だけにとどまらず、外圧にも耐えうる機能ともなることが分かってきました。

 これらの要因からこの建築様式をまったく新たな観点より創出したとして、第三の建築様式に位置付けました。



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