- 4.システムの効果


MRG構造の特徴は、これまでの伝統的なスペースフレームの連結に勝る経済性、柱のない大空間の実現、工期短縮、組み立ての容易さ、剛性を有しつつも柔軟な構造を有する点にある。 
そして、ここで示すドーム型構造体は、それらの特徴のみならず、以下に示すような効果ならびに利点をも有している。 

  • 幾何解析および設計の容易性
 MRG構造によるドームにおいては、連結する支持材の幾何解析は容易ではなく、構造全体の設計には困難を要していた。しかしこのドーム型構造体は、その形成のしくみが幾何学的構造の原理を内包するものであり、これを基に最終構築物の構造体を構築することができるため幾何解析および設計が容易となる。 

  • 恒久的な建築物への適応
 また、その容易性によって幅広い構造用要素の材料選択が可能となる。すなわち、従来のように軸状の構造用要素によるものだけでなく、立体トラスやパネル材によるものを用いることができるのである。
その結果として、ドームの屋根をパネル材によって覆うことができ、恒久的な建築物を提供することができる。 


  • 自由度の高い形態
 更なる効果として、このドーム型構造体は、その形成のしくみにゾーン多面体の特質を有しており、その特質を活かすことによって形態の自由度が高い構造体を提供することができる。それによって建築への適用範囲を広げる可能性を有している。 

  • 安定した立脚部およびその容易な施工性
 更に利点として、形成システムの核であるゾーン多面体の備えている座標軸に平行な構造用要素を直立する支柱として据えることで、安定した立脚部およびその容易な施工性を実現することができる。それに加え、この直立する支柱に施す壁面ならびに開口部は、垂直に位置しているため、既製の開口部品の組み込みが設計上容易となる。 

  • 風圧を軽減するドームの外殻
 他の利点として、ドームの構造体をパネル材による構造用要素によって構築すれば、その形態が凹凸面を成すことで、強風や台風による風の流れに対して効率よく乱流を生じさせることができ、風圧を軽減することができる。 

以下、この形成システムより派生する様々な形態を示すことで、以上述べた効果ならびに利点のより一層の把握がなされるであろう。



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