自立型パネル構造Ⅰ
先の例では、基の中空状構造体の変容として構造用要素に柱状の延長部を加え、高床式のドーム型構造体を示した。しかしこのシステムによるのドーム型構造体には、この高床式構造をとらず、パネル材となる構造用要素を変容させることで自立する構造も選択することができる。次にその一例を示す。
目的とする構造体は、図44で示した中空状構造体K7を用いて形成する。図中鉛直に位置する座標軸B10に対応する構造用要素J70を設置面方向に延長し、設置面で直立する構造体を形成する。
図48はそのドーム型構造体L8を示している。図中二点破線で示す構造用要素を取り除くことにより、該ドーム型構造体L8は、内部空間が立地面向けて開放し、立地面より立ち上がるドーム状の空間を形成することになる。
構造体の天蓋部を支える各構造用要素J80の間にはドームの内から外へと通じる空間が生じる。このため、必要に応じて構造体の剛性を高めるのであれば、図49で示す様に、補助パネル22ならびに小片パネル23を用いてその空間を閉じ補強をすればよい。なお、最終構築物の意匠性を考慮するならば、構造体の側面に位置する構造用要素端部の切断設定は切断線24の位置で行うことで、切断面をその内方に重なる他の構造用要素のパネル側面と面を一つにすることができる。
パネルによる自立型ドーム
図48
パネルの断面図
図43
その設定の詳細を先に示した図43の部分拡大図で示す。そして立体状構成要素D72で切断設定を説明する。切断線24は、立体状構成要素の貫通空間H10の外方頂点11を始点に立体状構成要素D70の外方側面に対して水平に設定する。この設定に従う立体状構造用要素D72の切断面は、その内方に位置する立体状構成要素D70の側面と一つになる。
この切断設定を施すことで、図50の補助パネル23が示す様に、その切断面と側面とが一つの面として収まるようになる。それにより天蓋部と側壁面との形状を明確に区分でき、側壁面の上昇する形態を意匠的に強調することができる。なお、この側壁パネルには入り口や窓を施せばよい。
ドーム側壁部のパネル接続
図49
自立型パネル構造Ⅱ
パネルによる自立型ドーム
図50
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