第三の建築様式への道

建築の魅力が詰まった、革新的な視点を提供する『第三の建築様式への道』。

本サイトは、来るべき時代の建築における新しいアプローチとそれに基づく実践方法を深く探求しています。著者は、独自の視点でヒントを提示し、建築を通じて人間の調和的発展を目指します。

歴史的な文脈から現代の課題に至るまで、建築様式の進化の根底にある幾何学を中心に解説していきます。新たなサステナビリティの視点や、環境との調和を意識したデザインなど、実践的なノウハウが豊富に盛り込まれています。

また、多様な事例を通じて、それぞれの空間がどのように機能し、人間の思考・意識に影響を与えうるのかも考察されており、単なる未来建築の指南にとどまらず、読む者に深い感銘を与える内容です。 

現在変革の時代と言われていますが、これは数千年レベルではなく万年単位のサイクルで、しかも惑星規模での変化が起きています。そのためそれに同調するかのように人類の意識も変革と進化が迫られているのです

地球では三次元意識によって創られて来た物質文明が終わりを遂げようとしています。私たちは自然と調和ある精神文明(四次元世界)、さらにはOneness意識に基づいた文明(五次元世界)を築かねばならない時に来ているのです

次の時代における人類の存在目的とは、地球と共に「覚醒した星の文明を創造すること」にあります。 


歴史的に20世紀末まで、建築構造における進化は人々の意識同様ほとんど停滞していました。

幾何学的観点から建築構造を大別すると、人類は今日まで2つの構造によってのみ形態を形成することに固執してきました。
一つは面の延長である立体であるブロックを地面から積み上げる組積造。型枠を作って流し込む工法もこの範疇に入り、ブロック状の物体を積み上げる労力や経費を省くために編み出された策と言えます。

もう一つは線状ないしその延長である面状のものをつなぎ合わせてつくる軸組工法やパネル工法です。
つなぎ合わせる技術的な水準は文化レベルや時代によって異なりますが、幾何学的には3次元の座標軸に収まる範疇で構造を設計します。

乏しいことに人類はこの2つの構造を作り出す意識レベルまでが限界だったのです。その反面、物質工学は構造とはアンバランスに発展を遂げてきました。それによって、外見はいかにも進歩しているかのような建造物ばかりになっています。

ところが前世紀末あたりから従来の構造とは異なる幾何形態が現れてきます。

それは線材を互い違いに組んで格子状の幾何学的パターンを形成するもので、レシプロカルグリットによる構造もしくはシステムと言われるものです。それによってできる構造物は従来の線材の端部同士をつなぎ合わせたものよりも柔軟性があり、接合部における荷重がより分散化される構造となっているため軽量化と剛性が図られる仕組みになっています。

この互い違いに組んでいく構造はどこか植物の繊維を面状にもしくは立体状に編んでいくイメージに近いものです。

それは布や籠を編み出す意識に通じるもので、一本の線材は華奢であっても互い違いに織り込んでいくことで強靭な形態を形成します。
民芸品や民具の他、前時代の民俗が繊維状に編んだ家の形態もあり、発想の原点がそこにあります。

しかし従来の文明に至ってはその手法を建築の構造にまで取り入れるには至りませんでした。その要因の最たるものは、繊維折構造を設計するための幾何学的発想や方法が皆無だったことによるものです。


先ず正確な物を作るには図面を引きますが、その前に空間をいかに把握しているかが潜在的に重要となります。通常3次元空間に慣れ親しんでいる人たちは縦横平面等の発想しか思い浮かばない浅い意識のままなのです。

そのため材の互い違いの設計や接合箇所のねじれた空間など図面に起こす前段階の幾何学的分析など思い至らず、ましてや立体に起こすまでの仕組みなど今まで誰も手を付けてこなかったのです。

数学の暗黒時代をへても1960年代まで幾何学の進歩は約200年間停滞してました。

しかしそれ以降徐々に進展し、前世紀末にはようやく繊維折構造を分析しシステム化するための各要素が出そろってきたのです。

その存在がゾーン多面体と多軸体です。

ゾーン多面体の数例

多軸体の数例

この新たな2つの幾何形体が登場することによって多数の線材が多数の座標軸で織りなす立体繊維折構造を編み出すことが可能となったのです。

著者の発見した立体繊維折構造はこのシステムを核モデルにして多軸体を組み立てるものです。
更に発明としては、その構造を建築へと技術転換するため軸体の変容できる範囲を可能な限り広め定めたことです。

多軸体の変容

建築へと転化

多次元構造体の三層構造 

このシステム全体は三層構造の幾何学システムから成り立っている。

核となる中心にがプラトン立体が位置し、その外側をゾーン多面体が囲み、さらにその外側を多軸体が包み込むしくみになっている。

多軸体を理解するには、一般的な幾何であるユークリッド幾何学の発想では立ち行かなくなります。
何しろその公理・公準 には則してないためです。根本的には「点」の解釈が「空」でなり立ってることを理解することです。

プラトン立体(正多面体)は、ユークリッド幾何の認識に基づいて具現化されたものですが、その幾何で重要視されている「点」という概念を「空」に広げていくこと多軸体にも置き換えることができます

そこでは新たな空間認識である「空」の概念を認識することになります。

この点はおそらく量子力学の世界に通じているのではないかと思います。

極小の物質を超えたエネルギーの形態に近いのかもしれません。

ここで確実なことは、多軸体は従来のユークリッド幾何とは異なり、非ユークリッド幾何の範疇に入ることです

3次元方向による座標軸では3D図面を描きますが、多次元となるとそれぞれの座標軸方向からの図面出しとなります。
多数の構造材が多数の座標軸からなることで多次元構造と呼べるこの構造は構造の分野における次元上昇と言ってもよいでしょう。


その発想の根底に流れる知識は、銀河宇宙からミクロ宇宙にフラクタルに存在するデザインシステム、すなわち神聖幾何学を源流としています。


多次元構造の建築への転化は多様なドーム建築の形態を生み出し、その形態は有機的に成り得、建築の芸術としての展開を見せていくことになるでしょう。

Geometry is the creation of space. It leads to how to understand the world and the universe.  

Late 1990s, Hiroshi Murata started working on geometry corresponding to the natural sciences to extend the senses of the -formative arts.

Not only as the sense that, as a mechanism that can tell the others. 

Later research, knowledge and systems so that everyone can share, get to work building the system geometry.

In 2000, invented the Multi-dimensional Polyaxes structures by Non-Euclidean geometry.

Five years later,systemized the structure and announced that as lighting system.

In 2008,reorganize the structure of the above system,then opened to the public as a dome-shaped structursystem.

Based on this system today, seeking to conduct the design of new functionality and artistic beauty, and has been the development of architectural education, design, sculpture and environmental modeling. 

Polyaxsis:Polyhedric Reciprocal Grid System

The 3rd Architecture 

Sacred Dome

His research interests are in the areas of sustainable construction; building structures (in particular innovative and non-conventional structures ) and their history; development; design; and environmental performance.

Spatial structures:

展示発表 2005~2012年

建築に天文・幾何学・自然科学・芸術そして精神科学を織り込み、新たな文明に向けての建築様式を探求。 

幾何学とは空間の創造である。いかに世界や宇宙を把握するかに通じている。 

 1990年代前半、村田弘志は彫刻・建築装飾の仕事で培った造形感覚の更なる拡張のため、自然科学と共鳴する幾何学の研究に取り組み始める。

長年の幾何学的研究の目的は、いかに有機的な構造を形成するかにあった。

そしてその研究は、誰もが共有することのできる知識や体系となるよう、幾何学システムの構築作業へと入る。

その後、多次元多軸体構造を発見、2000年には、その構造のシステム化を完成。さらに数年をへて建築に技術転用するためのドーム型構造システムを構築するに至る。

今日このシステムに基づき、新たな機能性と造形美を求めてデザインを行ない、建築・造形・彫刻・・教育へとその展開を行なっている。


Weave astronomy, geometry, natural science, art and spiritual science into architecture to explore architectural styles for a new civilization. Currently, we are continuing to develop multi-reciprocal grids and multi-axial bodies, and pursuing multi-dimensional geometric structures. As material civilization is about to come to an end, our ultimate goal is to "create an awakened planetary civilization."

Geometry is the creation of space. It is connected to how to grasp the world and the universe.

In the early 1990s, Hiroshi Murata began researching geometry that resonates with natural science in order to further expand the sense of form he had cultivated through his work in sculpture and architectural decoration.The goal of his many years of geometric research was how to form an organic structure.

Then, the research began the construction of a geometric system to become knowledge and a system that anyone could share.

After that, he discovered a multi-dimensional multi-axial body structure, and in 2000, he completed the systemization of that structure.

After several more years, he improved the system and built a dome-shaped structural system for application in architecture.

Today, based on this system, designs are made in pursuit of new functionality and aesthetic beauty, and this work is being expanded into architecture, design, sculpture and education.

Copyright © 2010 Hiroshi Murata