技術転換


そこで以下、原理を技術に転換させる方法について述べていこう。

求めるシステムとは、第三の構造様式を用いており、それによって主にドーム型の構造体を形成するものである。

 かかる技術的な問題は、その第三の構造様式にいかに幾何学的なしくみを組み込むかにある。
その手段として、私はその構造にゾーン多面体の幾何学的な性質を取り入れることに着目した。
それによってドーム型構造体Lを形成することになる。

そのドーム型構造体Lは、四つの工程から段階的に成り立っている。

第一工程は、ゾーン多面体を核と設定するが、その条件として平行四辺形の面を構成要素とする凸型のゾーン多面体Aを核とする。

第二工程は、この核の外殻に立体状構成要素Dを規則的に配置することで可能となるゾーン多軸体Eの形成である。

その形成の第一段階として、立体状構成要素Dが規則的に配置する空間を定めるため、ゾーン延長面による構成を形成する(なお、先に説明した原理説明の項では、その原理を端的に示すため、このゾーン延長面による構成Gの形成は省略し、直接ゾーン多軸体Eを導いている)。

このゾーン延長面による構成Gは、ゾーン多面体の各ゾーンCにおける一つ置きの面をその一つ置きの面が属するゾーンCに対応する座標軸Bに対して平行に延長することで形成する。しかし、ゾーンの一つの面は二つのゾーンCを含んでいるため、この一つの面は二つのゾーン延長面Fを形成する場合もありえる。その場合、他のゾーンの一つの面にはゾーン延長面Fが存在しないことにもなり、前述のゾーン延長面による構成Gを形成することは不可能となる。

そこで設定に、各ゾーンCにおける一つの面は一つのゾーン延長面Fに対応するという条件を加える。それによって各ゾーンを構成する面、すなわちゾーン多面体Aの各面にはゾーン延長面Fを形成することができる。ひいてはゾーン多面体の外殻にゾーン延長面による構成Gを形成することになる。

第二段階では、このゾーン延長面による構成Gをゾーン多面体Aの備えている各座標軸Bの方向から見て、各座標軸Bに平行に位置するゾーン延長面Fの断面にあたる線とその両端に位置する他のゾーン延長面Fにあたる線によって囲む空間を立体状構成要素の貫通空間Hとする。そしてこの空間内に立体状構成要素Dの断面が位置するよう定める。

第三段階では、この断面をこの断面の垂直方向、すなわち該当する座標軸B方向に平行移動することで立体となり、立体状構成要素Dを形成することになる。これによってゾーン多面体の外殻に立体状構成要Dが囲むようにして配置することになる。

そして最後の段階で、この立体状構成要素Dを抽出することによって、換言すれば、核であるゾーン多面体Aを取り除くことによってゾーン多軸体Eを形成することになる。

第三工程は、中空状構造体Kの形成である。前記立体状構成要素Dの互いに交差する箇所を保持する上で、その外方延長部を任意の箇所にて切断して取り除く。それによって理論上無限に延長する立体状構成要素Dの範囲を定めることになる。そして、残る内方側の立体状構成要素Dを、ドーム型構造体Lを形成するための構造用要素Jに転換し、それを互いに接続することによって中空状構造体Kを形成する。

構造用要素Jの材料としては、木材や各種鋼材・鋼管パイプ等を選択することができる。またその他、立体トラス用フレームやパネル材によっても構造用要素Jを形成することができる。そしてこの構造用要素Jが互いに交差する箇所にて接続する手段を有することで中空状構造体Kを形成することになる。

構造用要素の接続手段Mは、構造用要素Jが柱状の形状であれば、コネクタを介して接続してもよいし、フレーム材やパネル材を用いる場合ならば、接合箇所に貫入部を設けてボルト等によって固定すればよい。

第四工程は、前記中空状構造体Kから導くドーム型構造体Lの形成である。中空状構造体Kは、その構造用要素Jによって閉じた空間を形成している。そのためその主要な構造用要素J、すなわち天蓋部および支柱となりえる構造用要素Jを抽出することでドーム型構造体Lを形成する。

なお、先に示した第二工程における立体状構成要素Dの断面の位置を定める範囲において、その断面の一部分が前記貫通空間H内に収まっていてもゾーン多軸体Eを形成することは可能である。

そこで、ゾーン多面体Aの備えている各座標軸Bの方向から見るゾーン延長面の構成Gにおいて、立体状構成要素の貫通空間Hにゾーン多軸体の立体状構成要素Dの断面の一部分が位置することを定めることもできる。

 これにより、立体状構成要素の貫通空間Hの大きさがそれぞれ異なっている場合でも、同じ断面形状の立体状構成要素Dを形成することが容易となる。ひいては、あらかじめ量産により定められた寸法の構造用要素Jや単一形状の構造用要素Jを用いることが容易となる。







  システムの効果









ドーム型構造体の三重構造を示す図



システムの形成過程


第一工程・・・
ゾーン多面体を核と設定


第二工程・・・・・・・・・
ゾーン多軸体の形成

第一段階 
ゾーン延長面による構成

第二段階
立体状構成要素が貫通するの形成

第三段階
立体状構成要素の形成


第三工程・・・・・・・・・
中空状構造体の形成
立体状構成要素を構造用要素に転換



第四工程・・・・・・・・・
中空状構造体から導く、
ドーム型構造体の形成